Miyaの書斎

読書や映画や使ったもの感想を中心にまったりモフモフ書く。

国語力を上げる方法【行間・表現力・語彙力・文体力:大人も子供もここからスタート】

友人から国語の成績がすこぶるよかったからと相談されて、考えてみた。確かにそうかもしれない。語学力だけで大学へ行ったようなものだし。作文が選ばれて、校内のテレビ放送で自分の作文を読むのに選ばれたり、レポートを提出すると、まるでその場にいるような臨場感ですと先生や教授からのコメントがついて返却されることが多かった。そんな私は果たして一体どうやって国語力を身につけたのか?

かつてより国語力が落ちたように感じることも踏まえて考えてみた。大人でも、今からでも役に立つと思う。

思い当たるのは幼少期に読んだ本だ

母による読み聞かせから入って、自分が本を読めるようになったら、本棚に黙って追加されている岩波少年文庫を読んでいた。

それによって行間を読んで(文章には直接表現されていない筆者の真意をくみ取って)回答しなさいというようなテスト問題や、感想文やレポートが苦ではなく、むしろ好きになった。

本を読みなさいと言われるわけでもなく、気づいたら本棚に追加されていた。私はその頃には本が読みたく—というより、内容が知りたくなっていて、母も育児疲れなのか、あまり読んでくれなくなっていて、そんな時ちょうど自分で本が読めるようになっていったタイミングだったのだ。それでしぶしぶ自分で読むところから入って、その後は順調に毎日、寝る前に自分で夢中になって本を読んでいた。

本を好きになるには

私はなにも生まれつき本を読むのが好きだったわけではない。

最初は寝る前に母が寝かしつけるために読んだワクワクするようなおもしろい絵本や子供向け小説の話が楽しくて、おもしろくて、続きが気になって、新しいお話が楽しみで、知りたくて好きになっていったのだ。

子供向けといっても想像力を書き立てるようなものがいい。
私へ一番最初期に読まれた絵本の1つにノンタンがあったけれど、1歳くらいだったと思うけれど「「はあ?めちゃくちゃつまらないんだけど。こどもをばかにしているのか!?」」と思ったのを覚えている。なにがブッブーだよと。そんなのでよろこぶと思ってんのかよと。

つまりこども向けといっても、そういうのではなく、岩波少年文庫のようなものということである。絵本だったとしても空間に広がりがないようなお話ではなく、冒険やワクワクがあるようなものの方がいいということである。

大人が今から読む本としてもおすすめ

大人になってから語彙力や国語力をつけたいからと本を読もうとする時、すぐに大人向けの本とされているのに手を出しがちだが、長文を読むのに慣れていないと、すぐに挫折してしまう確率が高い。

またビジネス書籍や自己啓発本は、文体や表現力が限られているし、ネット上に無数にある記事やSNSで偶然出くわす記事、気になってついクリック・タップして読んでしまう記事—ハウツー記事やニュース記事などと文章構成が似ているのでよろしくない。なぜよろしくないかというと、冒頭に結論が来る形や、短い形式や、一章一章が短く端的な構成、端的な文体であることが、現代のネット上での多くの人=文章を読むのが苦手な人も含めて読ませる記事構成のポイントだからである。

つまり似たような端的な文章構成、本の方から分かりやすくあろうとすることに重きを置いたものでは、ネット上で記事を無数に読んでるのとあまり変わりがないからである。もちろん書かれている内容の知識が得たくて読むならいいけれど。

国語力を身につけたいという理由で読むなら、小説本がいいというわけである。

小説文体になれるために、まずは小難しい大人向け小説ではなく、子供でも理解して想像を膨らませられる岩波少年文庫くらいの小説から入るのがいいのである。

大人向け小説と子供向け小説の違いは、直接的な表現の多さ、大きさの違いである。
大人向け小説は触接的に登場人物の機微は書かずに情緒的な表現で、登場人物の心の動きや心情、時には表情の変化を別の物体に置き換えて表現されたりする。つまり行間を読む行為がとても多く、思いはかるところが多く、その答えもまた読んだ人によるとされるのが多く、国語学者でもAとも取れるし、Bとも取れるしというのが結論のものが多い。それに比べると子供向け小説は、そういった面が比較的少なく、小さく、はっきりと描かれず受け手に委ねられたシーンも、多くの人の答えが同じになるようなものが多い。
語彙数も大人向けの方が多いので、普段見慣れない漢字や二字熟語や言い回しが出てくる度に、どういうこと?となっていると、ストーリーの流れもつかめず疲れて読むのをやめてしまうのである。

だから大人でも岩波少年文庫からはじめるのがおすすめである。

同じシーンでも文章で99以上の表現方法がある

『文体練習』という本を知っているだろうか?バスの中のワンシーンを99通りの文体で書かれている本だ。

これを見ると分かるように、同じ事を表現するにしても、文章体や言い回しや表現方法を色々と変えることができるし、それによって作品全体にもたせたい雰囲気、もしくはどういう用途で書かれた文章なのかというのを表現できるのである。

文学小説を読んでいると実に色々な文体と出会う(子供向け大人向けに限らず)。
色々な文体に触れることで、文章表現のスキルを身につけられるのだ。

分からない言葉が出たらその場で調べるクセをつける

本を読んでいると、どういう意味だろう?という二字熟語や漢字や言い回しが出てくる。これを分からないままにしないでその場ですぐに調べるクセをつけると、確かな・正しい語彙力が上がる。

私の母も幼稚園くらいまでは「どういう意味?」と聞くと教えてくれたけど、卒園の時に幼稚園が卒園祝いとして辞書をくれたのと同じ時期に、一緒に辞書を引いてくれるようになり(母が知っているような言葉でも。)そして徐々に「自分で調べなさい」という機会が増えていって。最終的には、どうせ聞いても教えてくれないだろうなと思って、聞くのがめんどくさくなってさっさと自分で調べるようになっていた。

今は紙の辞書より電子辞書とかがあるので、わざわざ重い辞書を引かなくてもいいかもしれない。私はどちらも使ったことがあるけど、どちらにも良さがあるから、甲乙つけがたいな。

でもいきなり広辞苑ではなく小学生向けの辞書だったのがすごくよかった。内容が広辞苑より頭に入ってきやすくて、辞書を読むのが苦じゃなかった。幼稚園からプレゼントされた講談社の『新国語辞典』は小学生向けでは最大級語数を収録している辞典のようだ。

電子辞書はカシオので大学生でも使えるように最大数辞書事典が入っていて、SDカードを入れることで追加で外国語を増やせるものを使っていたけど、今は小学生もタブレットを使うので、ネット経由で調べる方がいいかな?いや、でもたまにネットの辞書間違ってたり、微妙だったりすることあるからなー。ちゃんと辞書から引用したようなサイトでも。

おすすめの岩波少年文庫

まずは『ドリトル先生』シリーズがおすすめだ。動物とお話ができるお医者さんと動物たちのお話だが、とても変わった生き物、現実には存在しない生き物なんかも出てきて面白い。お話ができるがゆえに起こるおもしろ話や珍道中。まずは1巻を読んでハマったら2巻以降も読むといいだろう。13巻も続くシリーズなのであきない。ただ途中で原作者が亡くなり、原作者のメモを元に代筆されたあたりから、文体等が少し変わってしまい、微妙に面白く無くなってしなうのが勿体無い。そこまであなたは気付くだろうか?

次に『みどりのゆび』。これはなにも、指が緑色になってしまった人の話ではなく、優れた園芸家のことをみどりの指と呼ぶのになぞらえたお話である。でもただの優れた園芸家ではなく——

その次は『トムは真夜中の庭で』。小さい頃に読んだのではっきりとは覚えてないけど、なんか秘密の花園みたいな話だった気がする。秘密の花園のアニメを見たことがあるんだけど、そちらよりこっちの方が気に入ったような印象を持っている。

それと同じくらい印象的だったのが『クローディアの秘密』。確か家出をして図書館に隠れ住むみたいな話だったような?違ったかな。なのでもし子供に読ませるなら小学生になってからがいいかな。

『エミールと探偵たち』『長い長いお医者さんの話』『ながいながいペンギンの話』は覚えてない。ただ自分の当時の本棚が写っている写真を見ていて、タイトルを覚えていてよかった印象だったのがこれらってこと。でも思い出の美化ってやつかも。今度読み返してみよう。

 

まずは“文章”を好きになるところから。

ということで、自分で文を書いてみるとかそういうのができるようになるのも、最初はそこからスタート。

 

 

そんな感じかなー。