すごく売れた本だけど、敬遠して読んでなかった本。
思っていたより分厚かったことにまずびっくり。
読んでいくと、これもうちょっと短くできるんじゃないかなと思わずにはいられない内容なんだけど。
無料で提供されるモノは、一体どこから収益を上げているのか、
その仕組みが分かる。
そしてその表面で無料であることで、その市場を圧迫すること、
その裏面でめぐるめぐって当事者は利益を上げることが書かれている。
つまりは、宣伝効果ということになるのだけれど、
実質上のこれまで消費者が消費してきた物自体にはお金を払わず、
その先になるサービスなどにお金を払わせるという、回りくどい撒き餌さ状態が
今の市場に繋がっているということである。
宣伝の時代は終わったと思われているが、
無料で配ることの宣伝形態が、今市場を覆おうとしている。
売りたいサービスや物のために、既存の有料であった市場に
無料で配るという打撃を与える。
ともすると、これを読んでいて思ってくることは、
その有料市場でこれまでやってきた人たちはどうするべきなのかということ。
そこで合わせて読みたくなるのが、ブランディングの本である。
価格競争で安値を売りにしてきたものはフリーによって押しつぶされ、
結局ブランドが残る。
いくら無料といっても、そこには限度があるわけで、
そうなったとき、どんな付加価値を有料側はつけるのか、つけているのか、が分かれ目になってくる。
確固たるブランド定義を軸によりよいサービスを提供する。
そうすることで多様化した消費者ニーズから、顧客を選び、クラームを減らし、
消費者とのよい関係を築き、双方の利益を循環させる。
フリーはただの広告だよと、フリーの風にびくともしないブランドづくりが大切であろう、
と、考えさせられる一冊でした。
そこで次回は、その読んだブランディングの本をご紹介。