Miyaの書斎

読書や映画や使ったもの感想を中心にまったりモフモフ書く。

映画『プライドと偏見』の感想〜キーラ・ナイトレイの下唇が気になってしまう残念な出来栄え〜

ドラマ版の『高慢と偏見』を大学の図書館のDVDで見て、好きだったから、映画版が出たということで気になっていたけど、ドラマ版が素晴らしかったから、ポスターを見ただけで、見る気にならずにいた作品。
ドラマ版の方が、雰囲気もたっぷり出ていたし、役者から放たれる魅力も上だったからだ。ポスターを見て、キーラ・ナイトレイという、いかにも流行の現代っぽい感じの女性がやっていたのもいやだったし、相手役(ダーシー役)の男性も暗い感じで、ドラマ版のコリン・ファースが演じた“なんとも小憎たらしくも、気になる相手という魅力がある”というのが、まるで出ていなかったから、がっかりだった。
ここまでは、ポスターを見たイメージ。

それで実際に観てみてどうだったかというと、相手役の人は映画の中ではダーシーのなんとも言えない魅力をよく演じていた。見直した。

主演のキーラ・ナイトレイは、身分が低めの役だといっても、ちょっと下品すぎだなといった感じだった。
“身分が低くても気品あふれる感じ”—ではなく、“身分が低いから下品な感じ”が垣間見えちゃうみたいな感じだった。
今まで気にならなかったのに、この作品で、撮られ方か演技のせいか、あごの出具合と、下唇がわざとおちょくるように突き出しているんじゃないかという下品な感じに、めくれ突き出し具合が終止気になってしまった。

このDVDにも、監督が映画の最初から最後までナレーションで解説する特典(オーディオコメンタリー)がついていたのだけれど、「ここは気に入っていない」と言うところが、終止あって、私は気分を害した。
こんな解説はじめてだ。
言い回しとか考え方とか、監督自身も下品だった。
言ったあとに、出演者に気を使うコメントをフォローのように入れるんだけど、それでもフォローになってないっていう。

出演者のインタビューが入っているのはよかった。姉妹役の中には、映画初出演の人もいたみたいだけど、ドラマ『大草原の小さな家』みたいにいい感じにできていた。

と、この出演者インタビュー特典を観て、やっと、ああ、これやっぱり前観たと気づくのだった。かたくなに観ていないつもりだったけれど、以前DVDを借りて映画を観るのに夢中になっていたときに、観るの(=観たいの)がなくなって、気になっていたコレを借りたんだった。

おかあさん役の人は演技うまいなぁと思ったら、監督も解説でそのことに触れていた。演技がうまいというより、自分の魅せ方や、自分に注目させるのがうまいと言った方があっているかもしれない。脇役でも目立つ方法を心得ているんだなと思った。さすが長年やっているだけあるね。

ドラマ版では、ホントイヤな人、空気読めてない人だった“主人公に求婚を申し出て迫る役”も、この映画版では、ちょっと気持ちのよい人とは言えないけれど、がんばって心遣いをする見所はなくない人、良い人の面もあって、なんだか気の毒だった。

映画では、この “心情が徐々に移り変わる小説作品”を映像化するには、2時間では短すぎたといえる。

あと、キーラ・ナイトレイはやっぱりミスキャストだ。おそらくキーラ・ナイトレイはいい女優さんなんだと思うけど、(そんなに観ていないからわからないけど)、この映画では、ショービジネスでよくある、お客さんを呼ぶための目玉役者として抜擢されたように感じた。

ダーシー役は、やはり私が大学で長編ドラマDVDを観て下を巻く程、魅力があることに驚いたコリン・ファースが一番だろう。

そのドラマ『高慢と偏見』を見終わるまで知らなかったが、コリン・ファースはそのドラマでのダーシー役が話題となり、その後のそれが元にブリジットジョーンズの日記のダーシー役に。日本にも熱狂的なファンがいることを初めて知ったのでした。

 

*映画『プライドと偏見』はドラマ『高慢と偏見』を観てから、7年後に観た。