Miyaの書斎

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映画『ココ・アヴァン・シャネル』感想レビュー〜希望よりこだわりをもったことが仕事になるのか〜

シャネルのデビューまでを詳しく描いた作品だった。
以前シャネルの生涯を描いたもの(映画『ココ・シャネル』だったと思う)を観ていたから、あの感じかぁと思って見るのをためらっていたけど、そこまでじゃなかった。なにが嫌だったかというと、貴族に随分な言いようをされて、シャネルはそういうのが嫌いなはずなのに、その社会にいつまでもいて、入っていって、男にいいようにされたり、男を利用したりといった流れがどれもいやだった。最後は生涯孤独だし。愛してよくついて金銭的にも愛情的にもつくしてくれた人に優しく応えることもない描写だったところが、キャリアウーマンの鏡みたいに言われていたとしても、私には違和感があったし、尊敬できなかった。たばこをくゆらせて社内に厳しく、男とは金銭のためかすぐ寝るのに、愛情表現には応えない、偉そうな態度で笑いもしない姿が嫌だった。

だけど今回見た映画『ココ・アヴァン・シャネル』でわかったことは、シャネルは結婚した母が泣いてすごしたことから、自分は結婚しないと(まるでエリザベス1世と一緒だが)決めたところだ。(宣言したかどうかはわからないと解説音声にあったけど。)以前見た作品のシャネルだと、いい人がいたら結婚したいけど、自分に今言寄ってくれる人は自分の好みじゃないから、いいようにあしらって使うだけ使っておく、けれど待ち望んだ人は表れず生涯孤独に生きたという感じの印象を受けた。

けれども、その生涯孤独なかわいそうな人、という印象は今もかわらない。カリカリ仕事に生きても、なにがいいのか。

*下記あらすじあり

最初は娼婦同然だった。お針子と夜の歌い手の仕事で生きた。貴族に気に入られかこわれて夜の相手をしてすごした。やがて貴族に気に入られている声のとおる女優に帽子が気に入られ、そこから顧客が広がって行く。自分はお針子の仕事は希望していなくて、女優になるのが夢だったけど、お針子方面の仕事の方が向いていて、流されるようにそっちに進んで行く。華やかなファッションの中で1人だけ地味で男性っぽくラフな格好をして注目を浴びていた。そこだけは曲げなかった。真が強く、自分の意思や信念の固い人というのが言うことなすことにちりばめられているが、曲げなかったのはそこだけで、あとは流されてやっていたことだ。貴族やかこわれるような立ち場が嫌いと言っておきながら、流されるように貴族に囲われた生活をし、気に入られたから希望していた女優の仕事とは違う帽子や服の方の仕事をする。

希望より、こだわりをもったことが仕事になるということか。

 

(*感想は見た当時2013年8月以前に見たメモを元にしています。)